クマ:県警、「注意」呼びかけ[青森県]
県警地域課は、15日午後1時までの今年のクマに関する目撃情報などの通報状況を発表した。通報件数は130件で、昨年同期より12件多い。昨年は1年間の通報225件のうち、3割弱の65件が7月にあり、同課は「これからクマが人里に降りてくる可能性もある。注意してほしい」と呼びかけている。
今年の人的被害は1件。13日に弘前市の男性(68)がクマに襲われ、けがをした。市町村別の通報件数では、むつ市が最多で17件、次いで青森市の14件。また、全体の約2割が下北地方で、大間町では6件の通報があった。弘前市や深浦町、八戸市でも数件程度の通報がある。
同課はクマに出合わないよう、出没情報を意識することや、山に入る際はなるべく複数で入山し、ラジオや鈴などで音を出しながら歩くことを呼びかけている。クマは逃げようとする者を追う性質があり、遭遇した場合は背中を見せずにゆっくりと後退するのが良いという。
県警では、クマに関する通報を受けると、自治体に連絡した上でパトカーなどで広報活動を行う。入山口などではクマへの警戒を求めるチラシも配布。大間署では、佐井村と風間浦村の入山口に計2カ所、クマよけの鈴の「無料貸し出し箱」を設けている。
また、保安課は「山に入る場合はクマだけでなくハンターに気をつけて」とも呼びかける。県内19市町村がクマやサルなどの有害鳥獣の駆除許可を出しており、猟友会の猟師らが入山していることも多い。クマと間違えられて撃たれないよう、蛍光オレンジなどの目立つ服装をするべきだという。地域課の杉山英司次長は「クマの一撃で死に至ることもある。気をつけてほしい」と話している。