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田畑荒らしサル許さん…近づけばスマホに映像送信 和歌山で最新「囲いわな」 [和歌山県]


果実をもいだり田畑を荒らしたりと、和歌山県内各地で相次ぐ鳥獣害。多発する地域では、遠隔操作で入り口を閉められる最新の「囲いわな」などを用いて、より効果的な対策を模索している。

 「去年と動きを変えているし警戒もしているだろうから、こっちも知恵使って捕獲せんとなあ」。同県日高町内の集落の山すそに設置されたわなを前に、住民らがつぶやいた。

 囲いわなは、縦横約7メートル、高さ約2メートルの金属製。果物を置いたおりに、サルやイノシシなどが近づくとセンサーが感知し、約5メートル離れた所に設置されたカメラが、スマートフォンやパソコンにリアルタイムで映像を届ける。おりの開閉は映像を基に操作できるため、誤作動なく獣を捕獲できるメリットがあり、平成26年に県事業で導入された。

 昨年は、このわなでサルを60頭以上捕獲したというが、「今年はまだ十数頭。まだ本格的に山から下りてきていないようです」と管轄する日高振興局の担当者は話す。

 県内でも特に鳥獣害が目立つ同振興局管内では、イノシシやサル、シカが柿やミカンなどを食い荒らすケースが相次ぎ、平成26年度には約5千万円の農作物被害が確認された。近年特に目立つのはニホンザルによる被害。同振興局農業振興課によると、同年度の鳥獣別被害額は、これまでトップだったイノシシを上回る1871万円となった。

 「サルは電気柵などの切れ目などから巧みに侵入し、稲穂や果実を食べる。知能も高いため、柵だけでは被害を完全に防ぐことは難しい」と同振興局担当者は話す。地元の猟友会なども捕獲に力を入れるが、追いつかない状況という。

 県や各自治体などは、サルを捕獲することで被害を防ごうと、20年ごろからわなを順次設置し、日高町などに最新機器を導入。27年度も県全体で10基を導入し各地へ割り当てる予定という。担当者は「集落の高齢化も進んでおり、なるべく負担が少ない方法を探りたい。囲いわなはその一つとして注目している」と話している。(秋山紀浩)

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