アライグマ闇に光る目 福岡都市圏で生息域拡大[福岡県]
特定外来生物のアライグマが、福岡都市圏で生息域を広げている。福岡市早良区椎原の山中に流れる小川のそばに、動物を撮影できる無人カメラを設置。夜行性の野生のアライグマを撮影した。
撮影期間は、今年2月上旬から6月上旬までの約4カ月間。夜になると、茂みから現れて歩き回る様子が確認された。日中は一度も姿をみせなかった。アナグマ、テン、野ネズミ、野鳥なども写っていた。
同市では2009年2月、早良区板屋地区に野生のアライグマがいることを初めて確認。昨年の調査で、南区、西区、博多区などにも生息域が拡大していることが分かった。今年5月には、市内各地で計17個の箱型のわなを仕掛け、南区と早良区の山中で7匹を捕獲した。子育て中の雌2匹がいたことから、市内で繁殖している実態も判明。
隣接する那珂川町では、住民の要望があれば箱型のわなを貸している。昨年度は28匹を捕獲。被害は家庭菜園が荒らされた程度だが、生息数は増えているとみられる。
市環境調整課は「被害を未然に防止するためにも、野生のアライグマが市内にもいることを、まずは知ってほしい」としている