クマ目撃続く、注意を 4月以降8件 根室西部で集中[北海道]
【根室】市内西部で4月以降、ヒグマの目撃情報が相次いでいる。11日午後にも市内東梅の道道で、車を運転していた男性がクマ2頭を見かけるなど、目撃はこれまでに計8件に上る。市は周辺住民に警戒を呼びかける一方、山菜採りのシーズンが本格化しているため、目撃場所に注意を呼びかけるための看板を設置していく。
目撃情報はクマが活動を活発化させる春先以降、別当賀、東梅、東厚床など市内西部に集中しており、6月に入ってからだけでも5件に上る。年間28件と過去5年間で最も多かった2009年でも、4~6月は5件にとどまっており「過去にないペースでクマが目撃されている」(市農林課)。
11日午後には、車を運転していた男性が市内東梅の道道を走行中、子グマ2頭が林の中で歩いているのを確認した。周辺では、6~8日にもクマの目撃が相次いでおり、7日午前には市内酪陽の道道で、車を運転していた複数人が、路上に座っている親グマと子グマを発見し、撮影している。
また1日には市内湖南の国道で、部活動のため自転車で登校途中だった女子中学生が成獣のヒグマと遭遇。女子生徒と目が合ったところ、ヒグマはゆっくりと立ち去った。市農林課は「人間とヒグマの距離が近づいている。偶発的な事故を防ぐためにも注意が必要だ」と指摘。同課は今後、目撃情報のあった場所に看板を置くなど、注意喚起を行っていくという。
動物の生態に詳しい、市歴史と自然の資料館の外山雅大主任学芸員は「一般的にヒグマは人間を恐れている。山菜採りなど山林に入る際は、鈴やラジオの携行など、クマに自分の位置を知らせる工夫が必要」と説明。また、クマに遭遇した場合は「決して大声を出して走ったりせず、ヒグマの目を見てゆっくり後ずさりしてほしい」と強調した。
2014年6月14日
転載元:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/545377.html