春グマの目撃急増 北海道内1~5月、一昨年のドングリ豊作期の個体か[北海道]
道内でクマの目撃が相次いでいる。道警のまとめでは、今年1~5月の目撃数は計231件と前年同期に比べて50件も多く、ここ5年で最多だった。6月に入っても札幌市や網走市などの住宅地などで目撃が続く。専門家は、一昨年秋にドングリの豊作で増えた個体が成長して親離れの時期を迎え、活発に動き回っていることなどが要因と指摘。今後も出没が多い状況は続くとみられ、道警は注意を呼びかけている。
道警が集計した今年1~5月のクマの月別目撃数は、1月1件、2月はゼロだったが、3月が前年同月比9件増の15件、活動の始まる4月が同41件増の97件に急増。5月も同1件増の118件に上った。畑を荒らすなどして捕獲されたクマは29頭に上り、昨年の20頭を上回った。
目撃場所は山林が100件と最も多いが、次いで道路が99件、畑・牧草地が37件など、人里での目撃も多い。6月に入っても札幌市中央区の住宅地付近や網走市中心部、釧路市の市営住宅敷地内でクマの姿や足跡が次々確認されている。
ヒグマ学習センター(登別市)の前田菜穂子代表(66)によると、道内は一昨年秋、ドングリなど木の実が豊富でクマの繁殖が進み、今年はちょうど親離れを迎えるクマが多いという。「若いクマは好奇心が強く、成獣の縄張りを避けようと動き回る。こうした個体が市街地に出没している可能性がある」と指摘する。<北海道新聞6月18日夕刊掲載>
転載元:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/546096.html