サルの農作物被害防げ 松山市が「モンキードッグ」の調教補助[愛媛県]
松山市はサルによる農作物の被害を防ごうと、「モンキードッグ」の調教補助制度を導入した。“第1号”として同市北条地区に配置されたイヌが果物を狙うサルを追い払うなど、早くも効果を上げている。
モンキードッグは、対サル用として訓練を受けたイヌで、近年では全国で活用が進んでいるが、県内では松野町に続く導入。
北条地区で、それぞれ果樹園を営む石橋仁志さん(53)の飼いイヌ「ハク」(オス)と、樋野彰彦さん(59)の同「ケン」(オス)の2匹が最初の候補となり、徳島県の訓練所でサルを追い払った後に戻ってきたり、命令に従ったりするよう専門のトレーニングを3~4カ月間受けた。市は1匹当たり約20万円の訓練費を負担した。
7月末に同市から認定証が交付され活動している2匹だが、効果は上々。石橋さん方ではブルーベリーを栽培しており、これを狙った数十匹のサルが出現したが、「イヌが反応して猛烈にほえ、追い払ってくれた。例年被害に遭っているだけに助かっている」という。また2匹は、近隣の要請にも応じて出動、農作物を守っている。
市農林水産課によると、平成25年度の市内の有害鳥獣による農作物被害額は3256万円。中でもサルは捕獲が難しく被害も増加傾向にあるだけに、市では飼い主の希望があれば年に2匹程度、訓練費を補助できるよう検討している