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気性荒く食害懸念 アライグマ、県内で繁殖[鳥取県]

ヌートリアに並び、鳥取県内でも近年、繁殖している特定外来生物がいる。動物園などでも人気のアライグマだ。愛らしい外見やアニメのイメージとは裏腹に成獣の気性は荒く、関係者は生息数や生息域の拡大による農作物への被害、人に危害を及ぼす可能性も心配している。

 北米原産のアライグマは、雑食性で廃屋や人家の屋根裏などを寝床にする。生態系や人の健康、農林水産業に被害を与えるとして2005年に特定外来生物に指定されている。

■捕獲数が急増

 輸入や一般飼育は禁止されている。しかし、アニメの影響もあってひそかにペットにする人も。京阪神や首都圏を中心に飼育放棄された個体が野生化して繁殖し、問題にもなっている。農林水産省の調査では、農作物の被害額は2003年の1億円弱から09年には約2億8千万円と急増した。

 県鳥獣対策センターによると、捕獲数は05年に鳥取市内で初めて捕獲されて以降増加し、12年は16匹、13年は約3倍の45匹に増えた。県内では今のところ、目立った農作物の被害は少ないようだ。

 同センターが昨年11月から5カ月間、捕獲が集中する同市東部と岩美町を調査すると、期間中に14匹の成獣を捕獲。聞き取り調査で目撃頻度が高い地区もあった。

 同町岩本で食料品を扱う桜井商店では2年前にアライグマに野菜や魚を盗まれたため、箱わなを設置し1匹を捕獲。自宅の裏庭の柿の実を食べているアライグマを目撃した60代男性は「地区内でも見た人は多い。最近でも7、8匹見たという人もいる」と話す。

■早期防除を

 これらの現状を受け、県内各自治体は防除実施計画にアライグマの捕獲を盛り込み始めた。講習会を通じて捕獲者の確保や捕獲わなの貸し出し、防護ネットの敷設指導など、地域を挙げて防除に取り組んでいる。

 生息数、生息域の把握は難しいとする同センターだが、多くがヌートリア捕獲用のわなにかかっており、アライグマの生息域が拡大していることを危惧。昨年に県中部で初めて捕獲されたことも合わせ「全県での生息が懸念され、早期防除が重要」と訴える。

 農作物被害に加え、さらに懸念されるのが人体への健康被害。成獣の気性は荒く、爪や牙は鋭利で狂犬病や回虫などの病原菌を保有するとされる。

 危険性を指摘する同センターの木谷好秀副所長は「“人懐っこい”イメージを持つ人が多いが、安易な餌付けをせず、発見時は各市町村に連絡してほしい」と呼び掛け、目撃頻度の高い地域では畑の生ごみの山積みなども餌付けになりうると、注意を促している。

 
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