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クマ出没、高まる危険性 深刻な餌不足予想、注意呼びかけ[岩手県]

クマが人里に出没する危険性が高まっていることが、東北森林管理局の平成26年度のブナの開花状況と結実予測から分かった。県内では、クマの好物であるブナの実の結実が期待できず、深刻な餌不足が予想されているためだ。

 「これから秋にかけて、クマが人里のどこに出てもおかしくない状況です」。クマの生態に詳しい森林総合研究所東北支所生物多様性研究グループ(盛岡市)の大西尚樹主任研究員はこう警鐘を鳴らす。

 深刻な餌不足が予想されるのは昨年のブナの実が8年ぶりに豊作だったため。冬眠中に出産するクマが餌に恵まれ、個体数を増やした一方で、26年度のブナの開花状況は調査した24カ所のうち18カ所が「非開花」で、ほとんど実がならない予想となっている。

 開花状況を基にした豊凶指数も0・3と、資料が残っている2年度以降では18年度の0・4を下回る過去最低。ブナは2年連続で豊作にならないという経験則もあり、県は餌不足の懸念から今年3月18日付で出没注意報を発令していた。この不安は的中し、県が7月末でまとめた県内のクマによる被害は8件9人で、25年度の7件11人を件数で上回っている。

 大西主任研究員は、生ごみを夜出さない▽ガソリンやペンキなど、においの強いものは室内に置く▽栗や柿は早めに落とす-といった対策を呼びかけている。

 
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