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クマの出没300件超、昨年分上回る[山形県]

ツキノワグマの人里への出没や食害が目立っている。県警によると、今年8月までにクマが認知された件数は300件を超え、昨年1年間の235件を上回った。人と遭遇すると襲いかかる恐れもあるため、県警は「鈴やラジオで人がいることを知らせて、注意してほしい」と呼びかけている。

 県警地域課によると、クマの目撃や足跡の発見、食害などによる今年の認知件数は、過去5年間で最も多い2012年(515件)とほぼ同じペースだ。桃やぶどうなどの作物が食い荒らされるだけでなく、これまでとは違う場所に出没するケースもあるという。県みどり自然課は「クマの生息範囲が広がってきている」と危惧する。

 山形市の中心街に近い場所にもクマが出ている。2日午後10時45分ごろ、県庁から南東約400メートルの千歳山のふもとで、体長約1・5メートルのクマが目撃された。車のライトを点灯させると、山に入っていったという。約50メートル先には民家があった。その4日後にも近くで体長約1メートルのクマが目撃されたため、市は周囲に「熊出没注意」と書いたのぼり旗を設置した。担当者は「ここまで中心街に近いのは初めて」と話す。

 19日には、鶴岡市湯田川でクマ1頭と小熊2頭が目撃され、酒田市の新出地区の栗林では、仕掛けていた罠に体長約1・6メートルのクマがかかった。この林では9月上旬から栗が食い荒らされていた。7歳くらいの雄で、体重は推定100キロ。クマは猟友会により捕殺された。

 県によると、現在県内には約2730頭のクマが生息していると推測される。個体数は年に約200頭ずつ増え、生息範囲も広がりつつあるという。また、県環境科学研究センターによると、県内の森林面積の約3割を占めるブナが今年は凶作という。野生生物のエサにもなるため、県は「クマが、ブナの実をエサとする秋に向けて、別のエサを求めて人里に下りてくる可能性は高くなると考えられる」という。12年もブナは凶作で、9~11月にかけて人的被害が3件あった。

 県はクマによる被害を防ぐため▽鈴やラジオなど音の出るもので人間の存在を知らせる▽早朝、夜間は出会う可能性が高くなるので注意する▽出会ってもクマに背を向けず、ゆっくり後退するように、と注意を促している。(多鹿ちなみ)

 
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