競技用空気銃の使用年齢が14歳から10歳に、麻生大臣も納得の方向
競技用エアピストルなどの使用年齢が10歳に引き下げられる見通しだ。
オリンピックの選手育成目的
報道によると、銃刀法改正案が閣議決定され、競技用のエアピストルとエアライフルの使用年齢が、現行の14歳以上から10歳以上に引き下げられることが分かった。
改正案は、2020年東京オリンピックに向けた選手育成を目的に、競技団体などが要望していたもの。
ちなみにクレー射撃で1976年のモントリオールオリンピックに出場した麻生太郎財務大臣は日本クレー射撃協会の会長であり、要望書を提出した「オリンピックでメダルを獲得するための」銃砲関連団体協議会の会長も務めている。
現在の法律では
現在の銃刀法では、18歳以上の所持や使用を禁止しているが、競技用の空気銃であれば、競技者を対象に14歳以上の「使用」を認めている。
ただし「所持」は認めておらず、14歳以上18歳未満の競技者は、指導者などが銃を管理することになっている。
パブリックコメントは65件
以前の記事で書いたように、7月にパブリックコメントを募集していた。
発表によると、総数65件の意見には賛否両論あり、中には「逆に規制を厳しくして年齢を上げる必要がある」とする見解も寄せられたとのこと。引き下げ年齢についても、8歳、10歳、中学生以上など様々だった。
賛否の件数は公表していないものの、概ね賛成意見が多かったようだ。
装薬銃は現状維持
同時に、火薬を使用した銃についてもコメントを募集していた。
こちらも賛否両論あったようだが、安全性を考慮して「空気銃とは別に検討していく必要があると考えております」との方向性が示されている。
治安と安全とは
最後の方に「日本が国際社会で確たる地位を築いていくキーワードは『治安と安全』である」の意見を紹介している。
これに対して「銃砲の厳格な規制は、我が国の良好な治安の根幹をなしており」「不適格者の排除に向けた厳格な許可審査や行政処分に取り組む」「猟銃等の所持者等に対する指導の徹底に努めてまいります」と述べている。
鳥獣による農作物の被害のニュースで見聞きした人もいると思うが、日本国内の銃の所持者は減少傾向にある。
警察庁の資料によると、1980年代に60万人を超えていた銃の所持者数は、近年では15万人程度にまで減少しており、ハンターなど所持者の高齢化も進んでいる。
では「治安は良くなっているか?」と考えると、首を傾げる人が多いのではないだろうか。
今回の年齢引き下げで、即治安が悪化するとは考えにくいが、法改正などには注意していく必要があるだろう。