登山道へのシカ侵入防止検討 南ア食害対策協[南ア]
南アルプスにかかわる市町村や国、県などで構成する南アルプス食害対策協議会(会長=白鳥孝・伊那市長)の総会が6日、伊那市役所であり、ニホンジカの新たな侵入防止策の検討を始めるほか、帰化植物の除去に乗り出すことを決めた。
花の山として知られる南アルプス。高山域では1990年代後半からシカが急増し、高山植物を食い荒らす被害が深刻だ。同協議会は、伊那、飯田、富士見、大鹿の4市町村と林野庁南信森林管理署、県、信州大農学部が連携して高山植物保護にあたるため2007年に設立された。食害被害の実態調査やシカよけ柵の設置、高山帯での捕獲などを実施し、柵の内側では花の回復もみられている。
今年度は、調査や柵の設置に加え、花の食害被害が顕著な仙丈ヶ岳(標高3033メートル)へのシカの侵入を防ぐため、馬ノ背から山頂までの登山道で、シカが歩きにくい網目状の鉄製歩道の設置が有効かどうかの検討に着手する。
さらに、南アルプス林道沿いに繁殖し、高山植物の生息を脅かしているビロードモウズイカ(ヨーロッパ原産)やヒメジョオン(北米原産)などの帰化植物の抜き取り作業も行う。
このほか、学校登山などで南アを利用する中学校で食害被害の勉強会を開くなどの啓発活動を実施する。
2014年06月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
転載元:http://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20140606-OYTNT50241.html