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イノシシ餌付けで氏名公表…神戸市、条例改正へ[兵庫県]

 神戸市は26日、住宅地でイノシシに人が襲われる被害が相次いでいることを受け、注意に従わず、餌付けをした人の氏名を公表する方針を決めた。イノシシは本来、臆病な動物だが、餌付けによって人を恐れなくなると、餌を求めて凶暴化するケースがあるため、市は2002年に全国初のイノシシ餌付け禁止条例を施行。しかし効果がみられないため、条例を改正し、抑止力を高めることにした。

 同市内では今年4月以降、イノシシによる被害が20件発生。今月24日には、山陽新幹線・新神戸駅近くの路上で、通学途中の女子中学生(14)ら5人が体当たりされたり、かまれたりするなど、これまでに負傷者は18人に上っている。

 市によると、1970年頃から六甲山から下りてきたイノシシに餌を与える住民やハイカーが後を絶たず、同条例を制定。出没が多い東灘、灘、中央の3区を規制区域に指定し、餌付けをした人に口頭指導や文書勧告を行えるようにした。しかし、指導や勧告に従わない人も多いという。

 市は近く条例改正の素案を公表し、市民から意見を公募した上で市議会に提案する。出没地域のパトロールを強化し、違反者特定にも力を入れる。

 野生動物への餌付けを禁止し、違反者名を公表する条例は、栃木県日光市や大阪府箕面市、奈良市などでも制定されている。神戸市農政部計画課は「事態は深刻化しており、他の自治体の例も参考に条例改正に取り組む」としている。

 山本麻希・長岡技術科学大学准教授(野生動物管理学)の話「餌を与える人の多くは、野生動物と愛玩動物を混同している。人間の食べ物を知ったイノシシは凶暴化し、最後は駆除される運命だ。まずは、しっかりと啓発し、餌付けしている人の誤解を解くことが重要だ」

2014年06月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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