7月のクマ目撃52件と急増 富山県が出没警報を発令[富山県]
県によると、今年上半期のクマの出没件数は61件と、統計を取り始めた05年以降2 番目の少なさだったが、7月は一転し、1カ月間で52件となった。8月に入り、富山、 高岡市、立山町で既に計4件の目撃情報が寄せられている。
県によると、クマの餌となるブナやミズナラの実は今年、裏年で作柄が悪くなることが 予想されている。このため、餌を求めて行動域を拡大するクマが増える可能性があるとし ている。年間1387件の出没情報が寄せられた10年も、餌の結実が悪かった。
南砺市上松尾で7月28日に男性がツキノワグマに襲われた場所はクマの生息域だった が、夏のレジャーなどで山間部に出掛ける人も増えることから県は警報を発令し、警戒す るよう呼び掛けている。
4月下旬には平野部の高岡市戸出地区で初めてクマの死骸が見つかり、住民らから生息 域の拡大が懸念されている。県は「クマと出会わないよう、十分に対策を取り、被害を防 いでほしい」(自然保護課)としている。
7月28日に南砺市のたいらクロスカントリー場で男性がクマに襲われてけがをした事 故を受け、砺波市は4日、クマ緊急対策会議を開き、住民に注意喚起するため栴檀山など 6地区に出没警報のチラシを回覧することなどを申し合わせた。
会議には市や自治振興会関係者が約20人出席した。県鳥獣保護員が朝夕に限らず昼間 でもクマの出没が見られ、今後15~20日間は餌のない時期であり、注意をする必要が あると説明した。
チラシはカキやクリの処理やラジオ、鈴などの携帯などを呼び掛けている。
富山市は4日、富山市八尾町宮腰の本法寺境内の水くみ場で3日午後3時40分ごろ、 住職がクマの爪痕を見つけたと発表した。地元猟友会がパトロールしたところ、境内西側 斜面にクマの足跡が見つかった。