非常勤職員に猟友会員/下松市[山口県]
下松市は、イノシシなどによる農作物への被害に対応するため、下松猟友会のメンバー42人を非常勤職員として採用し、「鳥獣被害対策実施隊」に加えた。県によると、県内の市町では初めての取り組み。
鳥獣被害防止特別措置法に基づき、猟友会のメンバーが実施隊員になれば、駆除で事故が起きても公務災害として取り扱うことができる。また、狩猟税の軽減、技能講習の免除といった優遇措置もある。
市は42人を1日付で採用し、実施隊員に委嘱した。5日には、同市東豊井にイノシシが出没したとの情報が市農林水産課に入り、職員が猟友会に連絡。隊員たちが初めて現場に向かい、オリを仕掛けて子供の1頭を捕獲した。
同課によると、隊員は男性41人、女性1人で、平均65歳。大半がシニア世代や農家で平日も自由に動ける人が多いため、捕獲や駆除、パトロールでも機動力を発揮できるという。
これまでは、市に情報が寄せられると、猟友会に依頼してボランティアで活動してもらっていたが、隊員として活動すると、1回につき4700円の報酬が支払われる。
同市では農作物の食害の増加に伴い、イノシシの駆除数も右肩上がりで、2013年度は08年度の3倍近い266頭に上った。
同課は「猟友会が実施隊に加わり、迅速に対応できるようになったので、鳥獣被害の減少につなげたい」としている。