クマ監視カメラ設置 金沢城公園 外周雑木林に10基[石川県]

金沢城公園(金沢市)で九月下旬にクマが捕獲されたことを受け、石川県は九日、公園外周の雑木林に、十基の監視カメラを設置した。職員らが毎朝カメラの映像をチェックして素早い対応を取ることで、金沢を代表する観光地の安全・安心につなげる。
対象は一般が立ち入りできず、樹木や草やぶが多いエリア。おりにかかったクマが見つかった甚右衛門坂から本丸園地周辺にかけて九基を、石川門付近に一基を、職員が木の幹に固定した。具体的な場所は非公表だが、専門家の意見を踏まえて園内に侵入した際の動線を考慮、漏らさず撮影できるよう選んだ。
カメラは二十四時間動き、動物の熱を感知すると自動で撮影を始める。職員らは毎朝巡回し、記録媒体(SDカード)の中身を確認する。クマが映っていた場合は速やかに市や県警、猟友会に連絡する。
県金沢城・兼六園管理事務所の猿田秀一所長(56)は「カメラで『絶対に安全だ』と確認し、来園者に不安を与えないようにしたい」と話した。冬眠が近づく十二月中旬まで設置する予定。
県内では広範囲で出没情報が相次いでいる。今年の目撃は八日現在で百九十一件で、前年より41%多く過去十年では最多。奥山の餌が少ないとも予想されており、県は警戒を強めている。 (松本浩司)