クマとの共生、昨秋の出没現場で学ぶ 札幌・滝野 開発局が企画 痕跡たどり[北海道]
昨年9、10月にクマが出没し、一時閉園を余儀なくされた滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)で11日、出没の経緯や同公園の対策を通じてクマとの共生について学ぶ勉強会が開かれた。利用者ら約20人が参加し、紅葉が深まる森の中、クマの痕跡が確認された場所を歩いた。
クマの出没騒動から1年たち、公園のクマ対策を市民に知ってもらおうと、開発局が初めて企画した。参加者は講義でこれまでの経緯などを学んだ後、クマが出没した公園南西側の外周柵付近を見学。開発局によると、以前は小動物が通れるように柵に500カ所以上の隙間があったが、現在は閉じられている。
クマが監視カメラで撮影された場所にも行き、クマのふんが落ちていた地点も確認。付近にはクルミやヤマブドウの木があった。公園の管理運営を受託する滝野管理センターの安達明彦副センター長は「柵の向こうはクマの餌場となっているのかもしれない。森は支笏湖までつながっており、すぐ近くにクマがいてもおかしくない」と話した。
参加した南区の主婦(57)は「クマには罪はないが、私たちも公園で楽しみたい。共生の難しさを感じた」と話していた。(本郷由美子)