「ジビエ料理」狩猟と解体の真実を密着取材[山口県]
11月半ばから多くの地域で狩猟が解禁され、ジビエ(野生の鳥獣の肉)料理のシーズンが到来した。ジビエといっても、我々が目にするのは店で出てくるお肉だけ。いったいどうやって捕られ、処理されているのか? そこで日本でもトップクラスの捕獲数を誇る山梨県早川町のプロ猟師、望月秀樹さん(47)に密着。猟と解体処理の現場を取材した。
30日午前11時15分ごろ、山口県岩国市由宇町神東で住民2人が相次いでイノシシに襲われ、病院に搬送された。イノシシは逃げており岩国署などが家の外に出ないよう呼び掛けている。目撃情報などから、襲ったのは体長1メートル以上の同じイノシシとみられる。
このところ増えすぎたシカやイノシシ、サルに農作物が食い荒らされる被害が全国の農地で相次いでおり、農林水産省の統計によればその被害額は年間約230億円(2012年度)。そのため、政府、与党は来年度の税制改正で、都道府県がハンターから徴収している1シーズン数千円から数万円の狩猟税を廃止する検討を始めたばかり。ハンターの減少に歯止めをかけ、野生動物による農作物への被害を防ぐ狙いで、今後、議論を本格化する。狩猟免許を持つ人は1970年代には50万人前後だったが、ここ数年は20万人程度に減少した。
望月さんは猟師歴26年。毎年、駆除で200頭、猟期に100頭の計300頭を仕留めているスゴ腕だ。
早川町も獣害に苦しんでおり、町では駆除した上でその肉を特産品として販売する計画を立て、今年8月に「早川町ジビエ処理加工施設」を竣工した。望月さんは捕獲したシカをここで解体し、東京都内の店などに出荷している。