「苫前町の宝」11点選出 一本松やクマ剥製 3月末まで第2次候補募集[北海道]
【苫前】他の町に誇れる苫前ならではの自慢を発掘するため、町が町民から募っていた「苫前町の宝」が決まった。町民も見過ごしがちな自然の風景や文化財、歴史遺産など計11点を選んだ。町は「地元の貴重な財産をあらためて知り、町民に郷土への愛着を持ってもらえれば」と話している。
選定されたのは、岩見地区に立つ推定樹齢800年を超えるイチイの巨木「岩見の一本松」、九重神社など町内各地で咲く町花の「エゾエンゴサク群生地」、大正期に香川地区の遺跡から発掘された町有形文化財の「須恵器」など。
また、クマの町として知られる苫前らしく、1980年にハンターに駆除され、郷土資料館に展示されている体長2・4メートルもある日本最大級のクマの剥製「北海太郎」や、町の熊撃ち名人をモチーフに描かれた作家吉村昭の短編小説「銃を置く」なども選ばれた。
「苫前町の宝」は町が「まちを元気にするため」に本年度始めた事業。昨年4月から9月まで候補を町民から募ったところ45点の応募があった。町商工会、農協、漁協、観光協会などの14人でつくる選定委員会が2回の会合を開き、11点に絞り込んだ。
町は今後、これらを紹介する観光パンフレットを作るなどしてPRしていく予定。また、他にも隠れた宝があるとして今年3月末まで第2次候補を募集しており、「宝」は最終的にもう少し増えそうだ。(鷲見浩二)
その他の宝は次の通り。
▽町道古丹別西2条線(チェリーロード)▽金刀比羅神社の4本足の大鳥居▽庄内藩士石川小兵衛と水稲試作成功者藤田万助の墓▽木造十一面観音立像▽擦文住居を手づくり復元した「ミニチュア竪穴住居」▽大型の木ぞり「修羅」