剣山山系のツキノワグマ、新個体確認できず 森林管理局など昨年調査 [徳島県]
剣山山系に生息するツキノワグマの活動範囲を把握するため、四国森林管理局(高知市)とNPO法人四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)が山林にカメラを設置して行った調査で、新たな生息域や個体は確認できず、依然として絶滅の危機にひんしていることが分かった。
調査では2014年5~12月の約7カ月間、徳島県と高知県にまたがる剣山山系の標高約1000メートル以上の11カ所に、計33台のセンサー付きカメラを設置した。
撮影された動画と画像を解析した結果、森林管理局などのこれまでの調査で生息が確認されていた3カ所で、ツキノワグマ1頭ずつが撮影されていた。センターなどが取り付けたGPS付きの首輪をしており、いずれも確認済みのツキノワグマだった。
森林管理局とセンターは03年度から毎年ツキノワグマの生息実態を調査。剣山山系での生息数は十数頭から数十頭とみられ、絶滅の恐れがある。
森林管理局計画課の池田秀明課長は「調査結果から生息数が少ないことがうかがえる。より正確に生息地域や個体数を絞り込むため、カメラ設置場所の追加や見直しを行い、調査を継続する」と話している。
【写真説明】撮影されたツキノワグマ=2014年9月9日、三好市内の国有林