今年初、那須でクマ目撃 例年より早め、昨秋の凶作影響か[栃木県]
11日午前8時25分ごろ、那須町高久丙の町道の歩道を歩くクマ1頭を車で走行中の男性が目撃し、那須塩原署に通報した。県警によるクマの目撃情報の発表はことし初めて。専門家は「クマは4月上旬ごろから出没し始めることが多く、例年より少し早い。ドングリなどの凶作で、昨秋十分な量の餌を摂取できなかったクマが、腹を空かせて早めに冬眠から目覚めた可能性がある」と注意を呼び掛けている。
同署によると、目撃されたクマは体長約1メートル。現場は東北自動車道那須インターチェンジの北東約4キロにある山梨子交差点から東に約50メートル。周囲は民家や田畑、牧場などが点在している。
県自然環境課によると、新聞報道や市町の報告に基づく県内のクマの目撃情報は2014年4~11月で計214件。集計を始めた12年は同時期に128件、13年は同じく78件だったが、3年間とも1~3月の目撃情報はなかった。
昨年、目撃情報が急増した背景にはツキノワグマの餌となる山のドングリなどの凶作があり、餌を求めてクマが人里に来たことなどが考えられるという。