全国に先駆け尾瀬で シカ捕獲は企業・団体と猟友会協力[福島県]
石原伸晃環境相は2日、尾瀬の尾瀬ケ原などを訪れ、シカの食害の現状などを視察した。国が認めた企業・団体と地元の猟友会が協力してシカの捕獲に当たる同省の事業を、全国に先駆けて尾瀬で始める考えを示した。
石原環境相は群馬県側の龍宮小屋で、星光祥檜枝岐村長らと懇談した。星村長らの案内で尾瀬ケ原を歩き、貴重なニッコウキスゲやミツガシワなどが食害に遭っている実態や、入山者が減少している現状について説明を受けた。
石原環境相は群馬県側の鳩待峠で記者団の取材に応じ、「想像以上に湿原が荒らされている現状を聞いた。地元、民間の協力を得ながらしっかりと守らなくてはならない」と話した。
新たな食害防止対策として、国が捕獲専門家として認定した企業・団体が、地元の猟友会とともに駆除に当たる事業を展開する。
星村長は「尾瀬に対する理解を深めてもらったと思う。視察の成果を踏まえ国として課題解決にしっかり対応してもらいたい」と語った。見晴地区で原の小屋を営んでいる星幸代さん(61)は「貴重な自然を残すため、シカの食害対策を早急に進めてほしい。このままでは生態系に変化が生じてしまう」と訴えた。
( 2014/07/03 10:23 )