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鹿の牧草被害 “見える化”し対策 計算ソフトで推計 農研機構・畜産草地研究所

 農研機構・畜産草地研究所は7日、鹿による牧草の被害を簡単に計算できる方法を開発したと発表した。食害を防ぐために牧草地に設置する簡易ケージとパソコン用の表計算ソフト「エクセル」を組み合わせた。設置したケージの中と外の草の高さを測り、パソコンに入力して被害量を推計。被害防止に必要な電気柵などのコストと比べられ、対策を施した方がいいかどうかの判断もできる。  牧草地にはしばしば野生の鹿が出没して草を食い荒らすが、被害の実態はつかみにくかった。開発した方法は、牧草被害を“見える化”し、費用対効果の高い対策を実施できるとしている。  被害を受けた牧草と被害を受けていない草地との牧草生産量を比較できるよう、草地には10カ所程度、縦、横、高さが1メートルほどの簡易ケージを設置し、ケージの内と外の草の高さを5点ほど測定する。この数値を、エクセルシートを使った「電気柵導入決定支援シート」に入力すると、被害率が分かり、面積などを入力すれば被害額が推計できる。  算出した推計被害額と電気柵などを導入した場合の費用も比較でき、対策を施した方がいいかどうかの判断を支援する。導入費用にはメンテナンス費用も加味している。  広大な公共牧場などでは「これまでは被害があっても、資材導入の費用対効果が分からず対策を取りにくかった」と同研究所の塚田英晴主任研究員。開発した方法は「エクセルへ数値を入力するだけなので簡単に扱える」としている。  簡易ケージの作成方法や電気柵導入決定支援シートは、同研究所のホームページからダウンロードできる。

 
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