食害防止へ電気柵 富岡でコメ出荷目指し着々[福島県]
富岡町下郡山地区の水田でコメの実証栽培に取り組む町ふるさと生産組合は25日、イノシシやイノブタによる被害防止へ水田に電気柵を設置した。
稲は病虫害もなく順調に生育しており、組合員が出荷に向けて着々と準備を進めている。
組合員12人が参加し、手作業で約5メートルごとに支柱を設置。ワイヤを地上から約30センチと約70センチの2カ所に巻き付け、水田2枚の周囲計約320メートルをそれぞれ二つの電気柵で囲った。ワイヤには約7000ボルトの電流を24時間流し続け、収穫まで動物の水田侵入を防ぐ。
同組合は東京電力福島第1原発事故後、初となるコメの出荷販売を目的とし、水田4枚計約120アールで「コシヒカリ」「天のつぶ」「こがねもち」の実証栽培に取り組んでいる。
渡辺康男組合長によると「こがねもち」は生育が早く、9月中旬ごろに収穫できる。「コシヒカリ」は9月末から10月初めごろに刈り取る見通し。渡辺組合長は「冷夏が心配されたが去年並みの豊作に期待したい」と収穫の日を心待ちにしている。