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[鳥獣害と闘う] 農業被害 震災後に急増 全普及センターに担当者[宮城県]

宮城県は、獣害対策を本格化、今月中に県内に9カ所ある普及センター全てに、鳥獣害対策の担当者を置く。野生肉の出荷制限で捕獲、狩猟が有効な手段として見込めない中で、増え続ける被害を電気柵や柵囲いなどの基本的な方法で防ぐのが狙い。既に対策に取り組んでいる集落もあるが、農家個々でなく面的な対策が必要なことから、指導できる人材を明確に位置付け、県全体の獣害防止とする。  東京電力福島第1原子力発電所事故後、宮城県では、イノシシとツキノワグマは国の出荷制限指示が県全域に、ニホンジカは県の出荷自粛要請が気仙沼市に出されている。 ・対策人材育成へ 現場目線の防止策期待  宮城県によると、2013年度の鳥獣による農業被害額は約1億5000万円。そのうちの5割が県南地域に集中する。被害額全体では震災前(09年)と比べると8割増と深刻さが増している。  県内普及センターでは、鳥獣被害対策に特化して取り組んだ経験がなく、実践的な被害防止策や現地指導のノウハウは不足している。このため、現時点で被害の少ない地域を含めて、県では普及指導員の育成に着手する。今月中にも県内に9カ所ある普及センター全てで、鳥獣害対策の担当者を決める。  この担当者を中心に研修会などを開き、技術や知識を習得させ、最終的に地域の状況に合った作物提案などができる指導員を育成する。  放射能汚染の影響でジビエとしての利用は難しく、さらにハンターの高齢化で捕獲はさらに厳しくなることが見込まれる。加えて、栗原市や大崎市など県北の地域でも、被害は出始めており、被害が全域に広がるのは時間の問題と県ではみている。  このため、同県で捕獲対策の他に鳥獣を寄せ付けない環境を整備しようと、地域の実情を熟知する普及指導員を鳥獣害対策の専門家に育成する取り組みを始めた。  このほど宮城県が開いた普及指導員を対象にした「鳥獣害(イノシシ)対策研修会」では、電気柵や目隠しネットを設置する際の注意点、サツマイモ被害の防止効果が期待できる竹マルチの見学など、鳥獣害対策ではごくごく基礎的なものを学んだ。  「電気柵のワイヤの間隔は20センチ。間隔が広いとワイヤの間をくぐって侵入してしまう」。県内でイノシシ被害の大きい丸森町峠集落の実証圃(ほ)に集まった県の普及指導員約10人は、この説明に耳を傾け、電気柵に触れたり、どのように設置されているのか確かめた。  「農家個人の対策では地域全体の被害は変わらない。普段から新しい技術を開発し、実証圃で普及したり、栽培講習会などの技術指導をしたりして集落との関わりを持つ普及指導員の現場目線に期待したい」(宮城県農業振興課)と話す

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