鹿対策、北ア西穂高岳にカメラ 動態調査へ初設置[長野県]
北アルプスに生息域を拡大しているニホンジカの動態を調べようと、中信森林管理署(長野県松本市)は30日、北ア西穂高岳(2909メートル)の稜線(りょうせん)に自動撮影カメラ4台を設置した。西穂高岳での設置は初めてで、同管理署としても初。北ア南部ではニホンジカの情報が不足しており、今後の対策を練るための調査となる。 カメラを設けたのは、西穂山荘から焼岳側に少し下った標高約2180メートル付近。山小屋関係者が鳴き声を聞いたことがあり、水場がある場所を選んだ。管理署職員5人は見通しのいい場所に自生する木にカメラをくくりつけた。 中信森林管理署によると、カメラは赤外線で平均20メートル先の鹿の動きを感知し、自動で撮影する。撮影した画像はカメラを回収する10月ごろに調べるとしている。 北アでは県や環境省が上高地、乗鞍岳、白馬岳周辺などでニホンジカ対策のカメラ設置を進めている。中信森林管理署の担当者は「各関係機関と協力しながら、鹿対策のための情報を集めていきたい」と話した。 西穂山荘の粟沢徹支配人(51)は「ニホンジカによる食害が全国各地で出ており、山小屋としても心配。カメラが重要な役割を果たしてくれればよい」と期待した。