有害鳥獣ハンター養成 県主催初セミナー 南信会場に10人入校[長野県]
県が主催する「ハンター養成学校南信会場」の入校式と狩猟セミナーが3日、伊那市荒井のいなっせで開かれた。ニホンジカなど野生鳥獣による農林業被害対策として狩猟者の増加を図ろうと、今年度初めて同セミナーを計画した。県内4会場で70人が入校した。来年3月まで、有害鳥獣捕獲実習2回を含む全5回セミナーで学ぶ。 南信会場は上、下伊那、諏訪地方などから10人が参加した。わな猟、銃猟に関する実習や、捕獲鳥獣の解体、ジビエ調理実習、試食も行う。狩猟免許を持っていない受講者もおり、養成学校とは別に狩猟免許試験の勉強会などもサポートしていく。 県内の狩猟者数は、1970年の2万6594人をピークに減少し、昨年は5788人。一方、有害鳥獣による農林業の被害額は狩猟者減少に反比例するように増加した。88年に初めて20億円を突破したが県が対策を進め、2007年から6年連続減少。昨年は11億5000万円だった。 県林務部鳥獣対策・ジビエ振興室の宮宣敏室長は「近年はニホンジカがすごく数を増やし、自然や人の暮らしを破壊する脅威になり、捕獲は重要な取り組みになっている。しかし、担い手は高齢化、減少が進んでいる。野生鳥獣の捕獲に携わりたい人の意欲を実際のパワーに変え、若手の皆さんを育成していく」と協力を求めた。 初回は、被害状況、被害対策や鳥獣法、狩猟免許制度の概要、猟友会の活動などについて、同振興室職員を講師に学んだ