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避難指示区域で野生ザル急増…震災前の3倍以上[福島県]

 東京電力福島第一原発事故の避難指示区域内の福島県南相馬市小高区で、野生のニホンザルが急増している。

 市は原発事故前の3倍以上の約390頭に増えたとみており、お盆で避難指示区域内での宿泊が許可されている17日までの期間中、パトロールを行う予定だ。

 「いた、あそこだ」。12日午前、小高区に隣接する同市原町区鶴谷地区で、地元猟友会などによる市有害鳥獣捕獲隊の隊員がビニールハウスの上にいるサルの親子を見つけた。分隊長の門馬重傚しげのりさん(68)は猟銃を構え、空砲で威嚇。ポンという発射音の数秒後に破裂音が鳴り響くと、サルは山中に逃げ去った。市の委託を受け、同隊が小高区や原町区でパトロールを始めたのは今月1日。以来、目撃情報が寄せられた場所を中心に計12人が交代で巡回している。避難指示区域内では除染作業が行われているため、実弾は使わず、空砲の音で追い払っているという。

 市は、原発事故後に住民が避難したため、人と動物のすみ分けのバランスが崩れ、出没するサルが増えたとみている。同区域内ではイノシシやアライグマなども生息域を拡大している。

 
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