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エゾシカ、登別温泉・地獄谷を往来 食害、景観維持に懸念も[北海道]

登別温泉の地獄谷で、エゾシカが岩壁を行き来する姿が目撃され、付近を散策する観光客を驚かせている。

 自然公園財団登別支部によると、今年6月ごろから目撃情報が聞かれるようになった。シカが出没するのは展望台で地獄谷を背にして立つと正面に見える急斜面。親子のシカが草を食べながら長さ100メートルほどの岩肌を移動したり、立派な角の雄シカが駆け抜けたりするという。

 周辺では近年、エゾリンドウや、イチイの葉、ノリウツギの樹皮が食べられる被害が相次いでいる。同支部は「岩壁の移動も、個体数増が影響しているのでは」とみている。

 物珍しさから、写真を撮るなど観光客には喜ばれているが、シカが通る場所には岩肌が削られて獣道ができている。同支部の藤吉功所長は「野生動物とは言え、自然の景観を維持する観点からは悩ましい」と話している

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