クマ出没200件超 秋も増加懸念 [福井県]
県内のクマの出没が急増するなか、冬眠を前に餌を求めて活動が活発化する時期を迎えた。出没件数は今年度に入ってすでに209件(1日現在)となり、前年度1年間の173件を上回って23年度以降最多に。県は、今月中旬まで出没の目安となる木の実(堅果類)の調査を行っているが、秋になってもクマの出没が落ち着く気配がないことから、木の実の出来がよくないと見ており、さらなるクマの出没増加を懸念している。
県は各市町に早めの対策を求めるとともに、11日には市町担当者を集めた出没対策連絡会で状況を示す。
県自然環境課によると、クマの出没(目撃・痕跡・捕獲)件数は4月から209件で、23年度以降では年間の出没件数を上回っている。同課は、ここ3年ほどはドングリなどの木の実が良好だったため繁殖。このため、里山にも現われ、目撃される頭数が増えたのではないかとみている。
捕獲数は32頭と23年度以降で最も多く、うち捕殺が29頭となっているが、幸い人への被害は出ていない。
だが、過去5年間で年間841件と最多だった22年度は4~8月が116件で、冬眠前の9~12月が721件と激増しており、今秋、激増する恐れがある。
同課は、これまでの木の実調査では出来がよくないとみており、山際の集落では生ごみを放置しないなど早めの対策が必要という。
大野市では出没件数が26件あり、4頭を捕獲。人里に近づいて危険なクマ1頭を捕殺、残りを放獣している。木の実については「全般的に悪い」とみている。