生態を学びイノシシ退治 白石で研修会[宮城県]
イノシシが農作物を食い荒らす被害が急増する現状を受け、白石市の関係団体でつくる市農作物有害鳥獣対策協議会は11日、適切なイノシシ対策を学ぶ研修会を市ホワイトキューブで開いた。市内の農家ら約280人が参加した。
イノシシの生態に詳しい農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センターの江口祐輔上席研究員が講演。イノシシの雌は年1回、春に最大4~5頭を産むが、子がわなにかかるなどして死ぬと秋にも産むケースがあり、「親子同時に捕獲しないと意味がない」と指摘した。
さらに、(1)跳躍するよりもまず、下をくぐりたがる(2)大食漢ではなく、草が好物(3)臭いや音、光の忌避効果はない-といった習性を説明。「防護柵は高さ20~40センチをしっかり押さえることが大切だ。収穫しない果実や農作物を山際に捨てず、のり面の草や稲刈り後のひこばえを刈るなど、地域で総合的な対策を講じてほしい」と呼び掛けた。
イノシシをめぐる俗説を否定し、生態や行動、実験に基づく客観的な対策の説明に、参加者からは驚きの声が上がっていた。