民家敷地へイノシシ侵入相次ぐ 京都・長岡京や大山崎[京都]
天王山近くの京都府長岡京市や大山崎町の民家敷地にイノシシが侵入し、農作物をあさったり工作物を破壊する事例が相次いでいる。山の荒廃でえさが少なくなっているためとみられ、住民に不安が広がっている。
天王山の竹林を見上げる同町大山崎の民家。主婦の原田圭子さん(66)は裏手の家庭菜園を見てため息をついた。
レモンの木は根っこが掘り出され、今にも倒れそうになっている。アスパラやタマネギも被害を受けており、あちこちで土を掘り返した跡が残っている。イノシシが走り回ってぶつかったのか、植木鉢も割れていた。
原田さんによると、イノシシの被害は4月ごろから増え始め、現在も週に2回ほど夜間にやって来るという。原田さんは「10年ほど住んでいるが、こんなことは初めて。これでは何も植えられないし、いつ出くわすか怖くて仕方ない」とおびえている。
近くの小池俊明さん(72)も、家庭菜園の世話をするために整備したブロックの階段が被害を受けた。侵入防止ネットや鈴を設置したが効果はないという。「もうすぐサツマイモができるので心配」とため息をつく。
町によると、イノシシだけでなく、サルの目撃例も増えているといい、町は「出没注意!」と書かれた張り紙を町内3カ所に掲示した。ただ、根本的な解決策はなく、町は「(山麓の住民は)イノシシが活動する夜間はなるべく出歩かないで」と呼び掛けている。