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大長谷のジビエ料理 富山市八尾町[富山県]

野生鳥獣の被害に悩む富山県が、ジビエ(野生肉)料理の普及に努めだしたという。ガイドブックに登場する大長谷ふるさとセンター(富山市八尾町)を訪ねた。

 岐阜県境にある山里の大長谷地区。川沿いの国道471号を進むと、「食事処(どころ)」と「村上山荘」を兼ねたセンターが現れる。茶色の三角屋根に白壁の2階建て。玄関をくぐると、水槽を勢いよく泳ぐうまそうなイワナが…。

 センターのあるじは元猟師の村上光進さん(68)。この地区で生まれ、畜産をしながら20歳で猟師、24歳で山荘経営も。猟は冬のタンパク源確保になる野ウサギから始め、熊撃ちを3年前までやってきた。「まあ、そうやねえ。大長谷のドングリ、特にブナの実が豊作やと、脂肪がついておいしい。やっぱ熊汁やね」と穏やかに話す。

 その熊汁を味わった。熊肉を大根やジャガイモなどと煮込んだ汁が大きなわんにたっぷり。意外にあっさりしたしょうゆ味で、酒にも合う。2杯目はハクサイが入っていた。「その日ある野菜で」と言う。イワナの刺し身と塩焼き、天然ナメコも味わった。

 食事処には山の幸のほか、「本日のおすすめパスタ」や「薪窯ピザ」のメニューも並ぶ。大阪から3年前に帰ってきためいのイタリアンシェフ村上恵美さん(38)が4月から11月まで作る。光進さんの猟友会仲間からイノシシの肉が入れば、4月にはジビエ料理も出す。

イノシシ肉のカルボナーラ(NPO法人大長谷村づくり協議会提供)

イノシシ肉のカルボナーラ(NPO法人大長谷村づくり協議会提供)

 パスタはイノシシ肉の薫製ベーコンを使うカルボナーラ、ミンチにしたミートソースなどを考案。「熊肉と行者ニンニクのスタミナパスタ」「イノシシのベーコンとクレソンのピザ」も。恵美さんは「ドングリの餌がいいので、ここのイノシシは臭くない。甘く、おいしい脂身を生かしたベーコンを使います」と伯父と同じように話した。

 滞在中、キノコ狩りのバスツアーに出合った。光進さんが理事長を務めるNPO法人大長谷村づくり協議会が山を案内する。山荘には、渓流釣りや白木峰散策の客が季節に訪れる。 (小畑一成)

 ▼メモ 大長谷ふるさとセンター(富山市八尾町庵谷10)は木曜定休。営業時間は午前10時から午後5時まで。JR高山線の越中八尾駅から八尾コミュニティバス(200円)で庵谷まで約1時間。車だと名古屋方面からは東海北陸道の五箇山ICで降りて1時間余り。北陸道は富山西ICから1時間20分。宿泊は夕食、朝食付きで8000円。問い合わせは同センター(電)076(458)1415。徒歩3分の大長谷温泉は木曜定休。入浴料460円。(電)076(458)1008

 
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