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県内イノシシ捕獲数拡大 生息数5年で4万頭減らす [福島県]

県は6日、県内に生息するイノシシの総数を5年間で4万頭以上減らす管理計画案をまとめた。県内では地球温暖化や東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域の設定などにより個体数が増え、生息区域が拡大しているとされる。特に避難区域では住宅が荒らされたり、車と衝突したりする被害が目立ち、県は対策を進める。

 管理計画の期間は、改正鳥獣保護管理法が施行される5月29日から平成31年度まで。県内に推計で4万7千~4万9千頭いるイノシシを、毎年1万7千~1万8千頭捕獲する。5年間で農産物への被害や生態系に影響のない個体数とされる5200頭まで減らす。捕獲数は東日本大震災前の22年度が3736頭、25年度は1万1087頭と約3倍に増えたが、生息数の増加に追い付いていない状態が続く。

 ただ、捕獲する人材の確保が課題となる。県内の狩猟登録者は21年度に5064人だったが、高齢化や原発事故の影響で先月末時点で3610人まで減っている。このため県は27年度から「わな免許」の受験料に対する助成を新設する。さらに射撃教習の受講料の補助を引き上げて担い手を確保し、計画を進める考え。

 また、捕獲したイノシシの処分方法も今後の検討になる。イノシシの肉からは食品衛生法の基準値を超える放射性物質が検出され、県内全域で出荷が制限されている。県は関係自治体と詰める。

 イノシシは避難区域を含む阿武隈川より東側の地域に多く生息する。25年度に捕獲したイノシシ1万1087頭を見ると、8割以上が阿武隈川より東側だった。一方、以前はイノシシによる農産物被害のなかった下郷町や西郷村など阿武隈川より西側の中通りや会津地方でも被害が確認され、生息域が広がっている。このため、被害の発生する前に捕獲する「予察捕獲」可能区域を、これまでの阿武隈川より東側から県内全域に拡大する。

 計画案は6日、福島市で開いた県自然環境保全審議会鳥獣保護部会でおおむね了承された。

 県はイノシシのほか、ニホンザル、ツキノワグマ、カワウも生息域が拡大し、生息数が増えている第2種特定鳥獣に位置付け、各管理計画案をまとめた。

 県は審議会の意見を踏まえ、各計画を年度内に正式決定する。

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