避難区域で活動範囲を拡大 福島・富岡町の野生イノシシ [福島県]
東京電力福島第1原発事故で避難区域となり全町避難が続く福島県富岡町で、野生のイノシシの「定住地域」が、避難区域以外のイノシシに比べて大幅に広い105~240ヘクタールだったことが県の調査で7日、分かった。事故から4年近く人が住んでいない避難区域で、イノシシが活動範囲を広げたとみられる。
福島県は平成25年と26年のそれぞれ秋から冬にかけて、富岡町で捕獲した計3頭のイノシシの首に衛星利用測位システム(GPS)の装置を取り付け、活動パターンを調査。26日間~81日間、15分おきにイノシシの居場所を確認したところ、最も活動範囲が広かったのはメスの1頭で、富岡町から隣接する大熊町まで240ヘクタールの定住地域を中心に、南北に広く動いていることが分かった。
県が25年度に避難区域ではない福島市や二本松市で実施した同様の調査では、別の3頭の定住地域は30~51ヘクタールだった。