イノシシの皮で“革製品” 伊達で「困りもの」有効活用[福島県]
有害獣とされるイノシシの皮で革製品を製作し、新たな特産品として売り出そうという試みが伊達市で進んでいる。東京電力福島第1原発事故の影響で食用にならなくなったイノシシの皮を有効活用し、製品化を模索する。
製品化を模索する同市農林業振興公社などによると、革の弱点でもある摩擦に強く、軽くて耐久性や通気性にも優れている。革製品に利用される他の動物の皮と同様、容易に加工できるという。なめしたイノシシ皮の放射性物質濃
度は検出限界値未満という。
同振興公社によると、同市で駆除されたイノシシは昨年度が約1500頭、本年度は約千頭で、原発事故後は焼却処分している。梅津善幸事務局長は「焼却処分しているうち1割でも商品化し、地域振興に役立てられれば」と期待する。
今後は革製品の種類や量を増やし、本格的な販売を目指していく。同市では27日、革クラフト教室が開かれ、市民がキーホルダーとお守りを試作した。3月から市内で試験的に販売する。教室は作り手の養成も兼ねており、イノシシに畑を荒らされた経験がある同市霊山町の主婦渡辺忍さん(50)は「困りもののイノシシが生まれ変わってみんなに喜ばれるものになれば」と話した。
(2015年2月28日 福島民友トピックス)