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イノシシ:生息圏拡大 太田市で対策研修会 /群馬 [群馬県]

イノシシの生息地が県内全域に広がり、農作物被害が深刻化している。平野部にある太田市の市街地でも捕獲数は2013年度の17頭から、14年度は8倍以上の143頭(先月末現在)にまで急増。専門家は耕作放棄地の増加や山林の手入れ不足が一因とみており、地域を挙げた総合的な取り組みが急務になっている。【金沢衛】

 イノシシの捕獲頭数が急増している太田市は7日、市民を交えて、初めての対策研修会を開いた。出席者からは「子どもが通学する時間帯に出没するので、不安がある」「イノシシに遭遇したら、どう対応すべきか」との懸念や質問が相次いだ。

 市街地に隣接した3キロ四方ほどの金山丘陵でイノシシが出没し始めたのは数年前。捕獲オリを増設した結果、捕獲数は13年度の17頭に対し、14年度は8倍以上に増えた。昨秋には、イノシシと遭遇した住民がけがをする事故も2件発生しており、市では「予想以上に急増している」と危機感を募らせている。

 太田市内では金山丘陵に隣接した田んぼの稲や畑が荒らされるなど、農作物への被害も拡大した。市はこれまでに5・6キロにわたる金網柵を設置。15年度からは柵をさらに2キロ延長し、丘陵全体を柵で取り囲み、イノシシを山から出させない作戦を検討している。

 一方で、イノシシによる被害拡大には複合的な要因があり、対策が難しい。林業の後継者不足により、手入れのされない山林や竹林が荒れたり、耕作放棄地が広がった結果、イノシシの住みよい環境が中山間地だけでなく、都市部周辺にまで拡大したりしているからだ。

 イノシシの生態に詳しい宇都宮大・雑草と里山の科学教育研究センター講師の小寺祐二さん(44)は7日の研修会で、「イノシシから守るべきところを柵で囲い、下草刈りして環境整備するしかない。対策に向け住民の意識を高める必要がある」と述べ、地域ぐるみで継続的な取り組みが必要との認識を示した。

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