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シカの侵入阻止へ 専門家が近く調査 [北海道]

国交省新千歳空港事務所は、新千歳空港の滑走路や誘導路付近へのエゾシカの侵入を防ぐため、対策に乗り出す。地元猟友会と連携するほか、生態に詳しい専門家などによる現地調査も近く実施する予定。調査結果を基に侵入防止策を検討する構えだ。

 新千歳空港では3日午後7時すぎ、誘導路付近にエゾシカ7頭が侵入しているのを航空会社の地上作業員が発見した。作業員から連絡を受けた同事務所は、追い払うため同30分ごろに2本の滑走路を閉鎖。車両9台を出動させてシカを追った。同時に隣接する航空自衛隊千歳基地に同基地滑走路の開放を要請し、午後8時10分に運航を再開。同空港発着の2便が欠航し、33便が遅延した。

 全てのシカが追い出されたのは4日午前2時半ごろ。しかし同5時ごろには再び滑走路付近に5頭のエゾシカがいるのが見つかり、再び車両が出動した。

 調査では、滑走路と敷地を囲むフェンスに切れ目や破れはなく、侵入経路は判明していない。跳躍力があるため、高さ約2メートルのフェンスを跳び越えた可能性があるという。新千歳をはじめ全国の空港では野鳥が機体にぶつかるバードストライクを防ぐためパトロールを実施している。鳥がいた場合は空砲で威嚇するなどして対応するが、新千歳空港でのシカ侵入の事例はごく少なく、侵入時の車両出動を目的とした庁内の連絡にとどまっていた。

 道内では近年、エゾシカが増加している。今後も同様のケースが空港で発生する可能性は高い。同事務所は運航に影響があった今回の事案を受けて、対策の検討を開始した。

 対策は千歳市、苫小牧市、道とも協議し、シカの侵入時に各自治体の猟友会員に出動を依頼するよう調整中。追い払うために威嚇してもらうよう、体制づくりを進めている。北海道猟友会千歳支部事務局は「まずは威嚇して追い払うことが前提。どうしてもその場を動かない場合など、周辺への安全性を確認した上で駆除もあり得る」と話す。

 同事務所は今月中に専門家を招いた現場調査を実施する予定だ。高速道路でシカ侵入対策に取り組む人や、生態に詳しい研究者などがフェンス周辺などを調査する。シカが侵入しやすい箇所や問題点があれば、改善点や課題の調査結果をリポートにまとめ、提出してもらう。今後の侵入防止策に活用する考えだ。同事務所では「現地調査の結果を空港の安全対策に生かしたい」としている。

 
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