狩猟免許所持者が30年で4割減る [和歌山県]

和歌山県内の狩猟者の減少や高齢化が進んでいる。この30年で4割減り、60歳以上が3分の2を占める。一方で、農林業に被害を与える有害鳥獣を減らすには狩猟者の協力が必要になる。県は銃猟の模擬体験装置を導入したり、講習会を開いたりして、人材の確保に取り組んでいる。 狩猟免許所持者は、1985年度には県内で約6400人いたが、15年後の2000年度には約4200人に減った。その後、緩やかになったが、減少傾向は続いていて、13年度は約3900人。 このうち、自衛のためにわな猟免許を取得する農家が右肩上がりに増えていて、1985年度に約250人だったのが、2013年度には2千人に達した。一方、全体のほとんどを占めていた第1種(猟銃)は約6千人から約1800人に減少した。 免許所持者の60歳以上の割合は、1985年度に20%程度だったのが、徐々に増え、2013年度は65%程度になった。一方で、30代は20%程度から5%程度になり、40代も30%程度から10%程度になった。 県は試験前の講習会費用を全額補助するなどして、狩猟免許の取得を支援しているほか、若者にも興味を持ってもらおうと昨年、猟銃による狩猟を模擬体験できる装置(シミュレーター)を購入。会議などで紹介している。 ■狩猟の魅力知って 8月1日、田辺で講習会 県は8月1日午後1時から、田辺市上秋津の上秋津農村環境改善センターで、狩猟の魅力を知ってもらい、新規狩猟者を確保するため、研修会「ハンターになりませんかミーティング」を開く。無料。 野生鳥獣害対策連携センター(兵庫県丹波市)常務の坂田宏志さんが狩猟の魅力を講演するほか、シミュレーターで銃猟の模擬体験をしてもらう。模擬銃やわな、関連書籍などのほか、田辺市稲成町の田辺射撃場で、猟友会会員による実射を見学してもらう。 誰でも参加できる。問い合わせは県農業環境・鳥獣対策室(073・441・2906)へ。
【狩猟免許所持者数の推移】
(2015年7月29日更新)