日田ギスカン:イノシシ肉で里山グルメ開発へ[大分県]
大分県日田市上津江振興局で13日、農林作物の害獣・イノシシ肉と福岡市の元焼き肉業者が開発した秘伝のタレがコラボする焼き肉試食会があった。ジンギスカンをもじり名称は「日田ギスカン」。参加した民間、行政関係者は里山グルメのブランド化とニュービジネスへの自信を深めた。
上津江町では2012年4月、害獣を特産品に変えようと市獣肉処理施設が稼働。シシ肉はコラーゲンが豊富で老化防止や美容に人気。処理・販売は市委託の地元組合。
ジビエ料理の開発が進む半面、一般家庭では不慣れや原材料の入手難ともあいまって、浸透不足なのが実情。これを見かねた同市天瀬町のゆずこしょう製造業、梶原靖徳さん(43)が「シシ肉をジンギスカン風に焼き肉にできないか。多彩な食べ方ができるタレが決め手」と模索。亀山亭ホテルの仲介で福岡県那珂川町の原田茂さん(64)を知った。
原田さんは20年ほど前、福岡市内で焼き肉店3店を経営。有名な韓国焼き肉店からタレの秘伝を伝授された。その後閉店したが、昨年、そのレシピが出てきた。原材料はしょうゆ、果物、野菜。水を使わず加熱もせず、自然熟成の逸品だ。
試食会では「衛生的に処理され、おいしい」と評判の同処理施設の真空パック入り肩肉やバラ肉、モモ肉を使用。市担当課職員、処理施設組合長、亀山亭ホテル女将(おかみ)や料理長、通販会社ディレクターらはタレとの相性のよさに太鼓判を押した。
梶原さんは「開発は緒についたばかり。狩猟者から処理施設、流通関係者、消費者までが恩恵を受けるシステムを構築したい」と話す。
2014年6月16日
転載元:http://mainichi.jp/select/news/20140615k0000m040011000c.html