死んだシカ、目撃情報208件 2月の大雪[山梨県]
今年2月の記録的な大雪で雪崩に巻き込まれるなどして死んだシカの情報提供を県森林総合研究所(富士川町)が呼びかけたところ、6月末までに208件が寄せられた。今後、地域別の特徴などを詳しく分析し、シカの頭数管理にも生かしたい考えだ。
大雪でシカが大量死する例は他県では知られているが、山梨県は例年の積雪が少ないため雪の影響はよくわかっていない。森林総研は3~6月、猟友会などを通じて発見場所や性別などの情報を募った。
目撃情報は、急な斜面が多い南アルプスの周辺に集中。早川町が70件で3分の1を占め、北杜市40件、南アルプス市33件と続く。雪崩で雪に埋もれたシカが多く、雪に脚をとられて動けなくなった例も目立った。
調査を担当した飯島勇人研究員によると、一般に大雪でシカの食べ物が不足すると、まず体力のない子ジカが力尽き、成獣のオス、メスと続く。しかし、今回の調査ではメスの成獣の情報が4割で、いちばん多かった。餓死よりも、雪崩などの事故死が中心だったことの反映とみられる。
県みどり自然課によると県内のシカ生息数は2012年度で推定3万8千頭。今年度は1万2千頭の捕獲を目指している。
飯島さんは「208頭は生息数の1%以下で、全体として、ただちに捕獲目標を変更するほどの数ではない。ただ、地域によっては他より死亡率が高くなっている可能性もあり、さらに分析したい」と話す