南ア仙丈ケ岳に防鹿柵設置 ボランティアら40人[長野県]
高山植物の生育地を網で囲い、ニホンジカの食害から守る防鹿柵の設置作業が25・26の両日、仙丈ケ岳・馬の背付近であった。南信森林管理署、信大農学部、県、飯田・伊那市など4市町村で作る「南アルプス食害対策協議会」(会長・白鳥孝伊那市長)のほか、林野庁、環境省が連携、ボランティアも加わり計38人が参加した。
参加者は北沢峠を午前7時過ぎに出発。午前9時半に馬の背ヒュッテに着き、3班に分かれて作業が始まった。既存の7カ所(総延長948メートル)に加え、今回新たに5カ所(総延長203メートル)に高さ約2メートルのポールを立て、ロープでつるした網を張り巡らした。
既存の網は白っぽい色だったが、新たに張ったものは青色。シカが識別しやすく、効果が高いという。
防鹿柵の設置は今年で7年目。協議会幹事を務める伊那市耕地林務課の柿木淳一課長は「高山植物はかなり復旧してきている。7年にわたる積み重ねが成果につながっている」。
1年目の2008年からボランティアとして参加する伊那市の1級建築士、若林晴二さん(66)は「学生時代のころのお花畑を取り戻したい。毎朝、仕事場から仙丈ケ岳を眺め、自分の山だと思っているので、何かしないではいられない」と話した。(関根光夫)