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ニホンジカ食害激増でハンター派遣[奈良県]

県は、ニホンジカの駆除チームをハンター10人以上で編成し、食害に悩む各自治体への派遣を10月にも始める。面積の7割を森林が占める県内で、効率的な駆除を目指すとしている。(近藤修史)

 メンバーは、経験豊富な県猟友会のハンター。市町村の要請に応じて派遣する。チームは人里近くの森に入り、無線で連絡を取り合いながら猟銃で駆除する。県内には現在、ニホンジカ約5万5000頭が生息するが、県は、農林業に被害が出ない頭数を現在の生息数の約8分の1にあたる6700頭と試算。適正数を大幅に超えた危機的な状況として、本格的な対策に乗り出す。

 一方で、頼みのハンターは不足している。県内の狩猟免許を持つ人は、1970年度には3000人を超えていたが、過疎化で年々減少し、2013年度は約3分の1の1005人に。高齢化も進み、60歳以上が7割を占めている。

 このあおりで、広葉樹の若木などが食べられる林業被害は、11年は計約339ヘクタールと、00年(134ヘクタール)の2・5倍に激増。農業被害も、全国2位の生産量を誇る柿や、水稲を中心に12年度は計約130ヘクタールで5759万円に上った。

 ニホンジカは、過疎化で手入れが行き届いていない雑草地などに身を潜め、人がいないことを確認して出没。「口が届くところにあるものは、何でも食べてしまう」(県農業水産振興課)という。

 奈良公園の鹿が国の天然記念物に指定されている奈良市には派遣しない。派遣は今年度中で計10回を予定しており、県森林整備課の担当者は「被害が出ている場所に重点的、機動的に派遣して、できるだけ被害を食い止めたい」と話している。

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