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長野県、シカの農作物被害防止に力 GPS調査や防護柵[長野県]

 長野県はニホンジカによる農業被害の防止策に着手した。白馬村や大町市では全地球測位システム(GPS)を使った調査やわなによる捕獲を始め、安曇野市では防護柵を設置した。環境省は年内にも生態を調査する。

 環境省松本自然環境事務所によると、5月8日~7月30日までの間に登山客らが上高地周辺でニホンジカを目撃したという情報が4件寄せられた。松本市では今月12日、梓川小室に仕掛けていたイノシシ用のくくりわなに体長130センチメートル程度の雄のニホンジカがかかっているのが見つかった。

 シカによる農業被害が増加している飯田、伊那両市など南アルプスとは異なり、「2000年代初頭までは北アルプスでニホンジカは確認できなかった」(松本自然環境事務所の西尾治・首席自然保護官)。「直近の生息数や原因は分からない」(同)が、目撃数の数十倍はいてもおかしくないとの指摘もある。

 ニホンジカは白菜などの葉野菜やリンゴの芽などを好んで食べる。北アルプス周辺には野菜やリンゴ農家も多く、影響が出る懸念がある。

 県は各地の地方事務所を拠点に対策をとり始めた。県松本地方事務所は安曇野市の堀金や穂高で、畑や水田がある地区にシカが降りてくるのを防ぐ防護柵を新設する。

 県北安曇地方事務所は白馬村と大町市で捕獲したシカ計30頭にGPSを埋め込んだ首輪を取り付けて解放する。GPSで取得した位置情報を基に、信州大学と共同で生活圏や移動ルートを調べる。シカの多くは食べ物となる植物を求め、季節に応じて山中を移動する。GPSで割り出した移動経路に防護柵やわなを設けて侵入を防ぐ。

 シカの駆除は、多人数で囲んで追い詰めたうえで猟銃で射取る「巻き狩り」が主流だ。だが、住宅地など人通りの多い地域で猟銃は使えないため、わなに頼らざるを得ない。大町市では、シカが食後に好む塩を同地域周辺の一部の土に混ぜ、付近にわなをしかける。

 上高地では、高山帯の花畑をシカが荒らす懸念がある。松本の環境省自然環境事務所と安曇野など関係自治体は共同で、動物の動きに反応して撮影するカメラ設置や、個体数調査などを急ぐ。

 
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