[鳥獣害と闘う] 鹿肉サンド 9月から販売 ジビエが人気のキッチンカー 東京・渋谷の宮下公園[東京都]
若者が集まる東京都渋谷区の宮下公園で、野生の鹿肉を使ったサンドイッチやカレーが人気を集めている。障害者の就労支援に取り組む「SHIBUYA PARK CAFE(渋谷パークカフェ)」(東京都渋谷区)が調理場付きの移動販売車で出店、障害を抱えたスタッフと従業員が二人三脚で鹿肉のおいしさを伝える。9月5日から営業を始め、新メニューの鹿肉ローストサンドの販売も計画する。 ・障害者が活躍 主なメニューはサンドイッチとカレー。通年は具材に鹿肉のソーセージを使い、夏にはステーキ、秋はロースト肉など季節に合わせて調理法を変えるのが特徴だ。 調理は同社の従業員が担当。障害者のスタッフは調理補助と接客を担う。2013年1月の開店以来、野生鳥獣肉(ジビエ)というユニークさが幅広い年代の注目を集めるようになった。 同社の入江洋仁代表が「就労が困難な障害を持つ人の支えになる仕事をしたかった」と考え、移動が可能なキッチンカーを導入して飲食業の展開を模索。農山村で鳥獣害が広がっていることを知り、「販売を通じた社会貢献にもつなげたい」と鹿肉に着目した。食材は長野県で食品加工などを手掛ける業者から仕入れる。 公園だけでなくイベントでの出店も増えたことで障害を抱えたスタッフも「大勢の人が買いに来てくれるのがうれしい」と声を弾ませる。 入江代表は「キッチンカーだけでなく、障害者施設と連携した加工品の開発・販売にも取り組みたい」と意欲を燃やす。 東京・渋谷の宮下公園での営業時間は平日正午~午後4時。(金子祥也)