イノシシ防げ 千枚田に電気柵 [石川県]
輪島市の国名勝「白米千枚田」で今夏、初めてイノシシ被害があり、市では5日、侵入を防ぐために電気柵(長さ約500メートル)を設置した。
市農林水産課などによると、これまで千枚田での被害はなかった。8月20日に国道249号から山側にある千枚田でイノシシの侵入が確認されたため、市は捕獲用のオリを設置した。しかし9月初旬にかけ、山側の千枚田約100枚のうち4枚(計約20アール)で、収穫間近の稲が食い荒らされた。イノシシは、稲穂を食べるほか、稲を踏み倒すなどして田んぼの中を荒らしてしてしまう。
千枚田には、全体で1004枚の大小様々な田んぼがあり、国道を挟んで、山側へ観光客が訪れることは少ない。一方、奥能登を代表する観光地としてにぎわう海側の千枚田には今のところ、イノシシ被害はないが、市は5日、被害拡大を防ぐため山との境界に電気柵を設置した。
電気柵には、8000ボルトほどの高圧電流が流れており、イノシシの撃退に効果がある。人が触れた場合、バチンと感じる冬場の静電気と同じくらいのショックがあるという。電源はソーラー発電でまかなわれ、収穫後に撤去される。
市などによると、市内では長くイノシシが居ないとされていたが、近年は、餌を求めて能登半島を北上したと見られ、5年ほど前から被害が出始めた。中でも今年は、市の北部地区などで、実った田んぼへの被害が急増しているという。