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ハンター後継者探し…高齢化農作物の食害深刻

イノシシやシカによる農作物の食害に苦しむ自治体が、狩猟免許取得や猟銃購入の費用を補助したり、養成講座を開いたりと、相次いでハンターの育成に乗り出した。背景にあるのは、高齢化や銃規制の強化に伴うハンターの急減。食害の深刻化は耕作放棄につながるだけに、どの自治体も対策に懸命になっている。

 「銃の所持には責任が伴うが、このままでは農業は守れない」。愛媛県が今年度始めた「ハンター養成塾」。講師の猟友会員が、受講する若手農家ら20人に心構えを強調した。

 講座は全6回。動物の生態などを学ぶ座学のほか、猟への同行、解体・調理の見学もある。狩猟免許や猟銃所持許可の取得など総額10万円程度の費用のうち、最大約9万円の助成が受けられるのも大きな魅力だ。

 かんきつ類の生産量が全国トップの同県では、野生動物による果樹の被害が2億6400万円(2013年度)と、全農作物被害の7割近くを占める。

 ハンター育成の動きは各地に広がっている。神戸市は今年度、銃を使った猟を始める人への助成を導入。免許取得などの費用を最大8万5000円まで負担する。京都府は10年度から、猟銃の購入費の半額(上限額15万円)を助成しており、今年度は300万円を予算計上。同府舞鶴市は、保管に必要なロッカー購入にも3万円まで補助している。

 環境省によると、狩猟免許の所持者は、1970年代には50万人前後いたが、2011年度には約11万6000人まで減り、高齢化も急速に進んでいる。

 09年12月には改正銃刀法が施行され、許可申請の際に精神科医らの診断書が、3年ごとの更新時には警察官による保管状況の確認などが必要になった。猟友会によると、こうした規制強化が負担になり銃を手放す人が後を絶たないという。

 一方、動物は増え、ニホンジカは11年度の推計で、20年前の7倍の260万頭が生息。農作物への被害額は、12年度は全国で約230億円に達し、都市部でも人がイノシシに襲われる被害が頻発している。

 環境省も、狩猟の意義を周知する取り組みを進めている。野生生物課は「銃は慎重な取り扱いが求められるが、農地の保護に欠かせない道具でもある。ハンターが活動しやすいよう、土壌づくりを進める必要がある」としている。

 
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