増やせ若手ハンター 担い手高齢化で激減[茨城県]
県内で将来の鳥獣保護管理の担い手となる狩猟免許取得者が、高齢化の影響で30年前の3分の1以下に減る一方、イノシシによる農作物被害も深刻化している。環境省や県などは若手ハンターを増やそうと、9日に笠間市の市立笠間公民館大ホールでフォーラムを開く。県は、「若い人に狩猟の魅力や社会的な役割を知ってもらい、関心を持つきっかけになれば」としている。
県環境政策課によると、県内の狩猟免許取得者は1984年度には1万4793人だったが、2012年度には3985人まで減少した。その約7割が60歳以上の高齢者で、12年度に県などが行ったアンケート調査では、76・5%が「10年後には狩猟をやめている」と回答したという。
一方、県北や県央の山間部や筑波山麓などではイノシシによる農作物被害が深刻で、12年度には水稲を中心に笠間市や水戸市など16市町で計6216万円の被害が確認された。近年は鉾田や行方、小美玉の各市まで生息域を拡大している。
10年後、県内のハンターは2000人ほどに減少するとされ、県は13年度、笠間市の狩猟者研修センターで狩猟免許の試験回数を年3回から4回に増やすなど対策に乗り出した。来年度以降は出前試験や、初心者を熟練者が指導する講習会を県猟友会の協力を得て開くことも検討していく。
環境省主催の「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」(県、県猟友会共催)は9日午後1時~5時に開催。20~40歳代のハンターの男女4人が「私がハンターになった理由」をテーマにトークセッションを行う。映像と模擬銃で狩猟を疑似体験したり、野生鳥獣の肉(ジビエ)料理を試食したりできるブースも設ける。無料。問い合わせは同課(029・301・2946)。