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今、鹿肉がアツイ! 鉄分豊富なおいしい健康食

高たんぱく、低脂肪、ミネラル豊富なヘルシー食品として、鹿肉が注目を集めています。「くせが強くて堅いから苦手」という人、食わず嫌いなんて、もったいない! テキスト『きょうの料理ビギナーズ』の人気連載「ビギコレ!」では、鹿肉の今を総力取材しています。

■まずは“中食(なかしょく)”からトライ!

「意外に柔らかくて、くせもなく、食べやすいですよ」と言うのは、北海道・釧路市にあるスーパーマーケット「あいちょう」の社長・相澤長秀さん。「あいちょう」の精肉売り場では、1年中、家庭向けに鹿肉を販売しています。ということは、北海道ではすでに、鹿肉が家庭に普及しているのでしょうか。

「外食店では鹿肉を出す店が増えましたが、家庭ではまだまだですね。“内食(ないしょく)”の普及率を高めるために、まずは“中食”となるものを販売してアピールしています」と言う相澤さん。

内食は“家庭でつくった料理の食事”、中食は“買ってきた総菜や弁当など出来合いの食事”。精肉以外に、缶詰やレトルトカレーを常時販売するほか、毎月第4火曜日の「シカの日」には、鹿肉の手づくり弁当を月替わりメニューで販売しているそうです。食材として買ってもらうためには、まずは肉のおいしさを知ってもらうのが先決、ということですね。

■キーワードは“養鹿(ようろく)”

ところで、野生のはずなのに、「あいちょう」で販売する鹿肉は柔らかくてくせもない、というのはなぜなのでしょうか。

「うちで扱う鹿肉は、養鹿したものを仕入れているからです」と相澤さん。

養鹿、ですか? それって、養豚とか養鶏とかの鹿バージョンなのでしょうか。ということは野生ではなく、家畜???

「いえいえ、野生ですよ。ただし銃でしとめるのではなく、わなで生け捕りにして、半年間、囲いの中で放し飼いにしながら雑穀などの飼料を与えてから出荷するんです。こうすることで肉質は柔らかく、くせもなくなります。これを一時養鹿と呼んでいるんですね」

ほー、なるほど、勉強になりました。おいしい形で提供されるには、手間がかかっているんですね。

「鹿肉は鉄分が非常に多いので、特に女性の方にはおすすめです。鉄分の含有率は、レバーやほうれんそうより抜きん出ています。おいしい健康食としてぜひたくさんの方々に食べていただきたいです」と、相澤さんからのメッセージ。まだ値段が少々高めなのがネックではありますが、もっと市場に出回って手ごろになる日も近いかもしれませんね。

 
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