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現場発・上州リポート:県北・ニホンジカ農作物被害深刻 国有林に車、狩猟 ハンター高齢化 地域拡大も検討 [群馬県]

国有林内に車両を乗り入れて狩猟をしている。林野庁関東森林管理局(関東、福島、新潟、山梨、静岡)管内では初の取り組み。被害軽減にどのような効果があるか注目される。

 川場村の小林節雄さん(65)宅に昨年11月、猟仲間3人が集まった。中沢国有林道の入り口は鉄製ゲートが閉鎖中。4人は林野庁利根沼田森林管理署から貸与された鍵で解錠し、軽自動車2台で約3・5キロ先の猟場へ向かった。徒歩だと1時間かかるが、車なら約15分。ニホンジカ6頭を目撃し、約30キロの雌1頭を捕獲した。

 利根沼田地域の森林面積は85%。そのうち65%が国有林だ。従来は狩猟期間中、徒歩でしか猟場に入れなかった。猟友会メンバーは年々高齢化している。片道1時間を歩く必要がある状況では山に入るハンターが減り続け、捕獲が進まなくなる恐れがある。林野庁は、国有林に車を乗り入れることでシカが警戒し、餌を求めて里に降りてこなくなる効果もあるとみている。

 小林さんは「林道脇ではヒノキの樹皮が食い荒らされ、枯れかけている木も目立った。国有林内もだいぶ荒らされているようだ」と説明する。車の乗り入れ許可は今季限りの措置。猟友会沼田支部は「数年は継続するべきだ」と主張している。

 県利根沼田環境森林事務所は「野生動物の頭数を管理しながら減らしていかないと被害軽減にはつながらない」と指摘する。林道には崖もあり、落石の危険もある。同事務所の担当者は「安全第一に事故を起こさず猟期が終われば、効果や問題点を検証して、対象地域の拡大など次のステップへ進むのでは」と話している。【米川康】

 
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