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イノシシ、人の被害増加 生息域ほぼ全県に拡大 [長野県]

近年、長野県内でイノシシに襲われてけがをする人が目立ってきた。県が統計を取り始めた2006年度から11年度はゼロだったが、12年度は1人、13年度は6人に。14年度も17日現在、2人が軽いけがをした。県はイノシシを見掛けても刺激せず、その場を離れるよう呼び掛けている。

 16日、北安曇郡白馬村で下校中の小学2年女児が近づいてきたイノシシにかまれて軽傷を負った。昨年12月12日にはイノシシ3頭が上田市のスーパーのガラスを突き破って店内に侵入。外に逃げた後、自転車に乗っていた男子高校生にぶつかり、高校生が軽いけがをした。13年10月には、松本市の市街地にイノシシが突然現れ、捕獲しようとした市職員ら6人がけがをしている。

 県によると、県内の生息数は詳しい調査がないため分かっていないが、捕獲数は01年度の4887頭から12年度の6987頭に増加。以前は県中南部が中心だった生息域が今はほぼ全域に広がっている。白馬村農政課の担当者は「5、6年前から目立つようになったと地元猟友会員から聞く。『今まではいなかったのに』と驚く住民も多い」と話す。

 県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔研究員は「イノシシは人里近くにいる動物。近年は人慣れしていると思われる個体もあり、いつ出くわしてもおかしくない」と指摘する。

 県によると、12~14年度の県内の人身被害は10月に2件、12月に1件、2月に1件で、イノシシの発情期の秋、冬にほぼ重なっている。

 中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)で野生動物対策を担当する仲谷淳上席研究員は、11月から2月が狩猟期間であることにも注意が必要だとする。猟犬に追われるなどして「パニック状態」で人里に現れ、偶然居合わせたような場合や、犬を連れていたりするとトラブルになる可能性があるという。

 万が一、出くわしてしまったときは「慌てず、静かにその場を離れるのが基本」と仲谷さん。イノシシから近づいてくるような場合は「高い場所に上るか、物陰に隠れてやり過ごしてほしい」と話している。

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